私のお父さん
父と和解して何年も過ぎました。
父が私が子供のころにどれだけ辛く苦しい思いをしていたのか、30歳を超えて初めて教えてもらいました。
私は小学生のころ「死にたい」という気持ちが常にありました。
実はその頃、父に事件が起こり、本気で自殺を考えるほど悩み苦しんでいたようです。
子どもの私は、一切知らないことです。
家庭内がなんとなく暗い気がしていましたが、そこまで思い詰めていたとは知りませんでした。
何年か前、父からその話を聞いて涙がら止まらなくなったのを覚えています。
死にたいくらい辛かった子ども時代も、父の気持ちが流れ込んできた影響かもしれないと思うと、父の全てを許せるようになりました。
私は父に甘えた記憶がほとんどありません。
理解不能なことで突然怒り出し、私にとって父は恐怖の存在でした。
おかげで私は今も不安症がなかなか治りません。
ですが、父こそ、感受性が強すぎるあまり人とうまく接することができず、苦しんできたことも今は理解しています。
今となっては父は恐怖でも何でもありません。
不器用だけど家族の中で一番愛情深い人だと感じています。
離れて暮らす父の誕生日には必ず花を送ります。
たまに写真を送ったり、帰省する日を楽しみにしています。
ようやく親子として交流ができるようになり、父が健康に長生きしてくれることを祈るばかりです。